犬の痴呆は実は日本犬が圧倒的になりやすく、痴呆犬の8割以上が日本犬といわれています。
室内犬で人気の小型犬の多く(チワワ、プードル、ミニチュア・ダックスフンドなど)は外国犬なので、それらが痴呆になることは珍しく、そのことが犬の痴呆の認識が拡がり難い理由かもしれません。
数が多いこともありますが、特に柴犬や柴犬のミックスが痴呆犬になりやすいと言われています。
なぜ日本犬が痴呆になりやすいか
日本犬が痴呆になりやすい理由に、食生活の急激な変化があるようです。
ドッグフードが一般的になる前、犬の食事は主に人間の残飯でした。
縄文時代からこの地で日本人と共に暮らしてきた日本犬が、長い間食べていたのは当然、日本人の食文化である米や魚が中心です。
それが1960年代から急激に牛肉を使用したドッグフードへと変わっていったことが日本犬の痴呆の原因といわれています。
明治時代まで牛肉を食べる事がほとんど無かった日本人と共に暮らしてきて、日本犬の身体には魚から得るタンパク質を上手に利用する機能が長い年月をかけて発達してきました。
それが急激に牛肉中心のドッグフードばかりの食事になれば、何か異常が起こるのは当然なのかもしれません。
このことから魚肉や魚油に含まれるEPA、DHAが日本犬の痴呆に大きく関与することがわかってきています。
日本犬以外にも、牛肉を食べる習慣が無かった文化圏の犬種には食事により痴呆の症状が出やすい可能性があると思われるのですが、全体の日本犬の割り合いが圧倒的に多いことから、特に他になりやすい犬種というのは報告されていません。
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